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近親相姦について“著しく反社会的”という表現が目についたので、少し思うことをば。
私は別に近親相姦(結婚含めて)が悪いことだとは全然思ってない。
自分の身内がそういう関係になりそうだったら、一応反対はする。しかしそれは自分が許されない行為だと感じるからではなく、「社会が認めてくれないだろうから、辛い思いをスルヨ? 多分子どももね」ってことだ。(これが差別の本質かもしれないが……)
反社会的とか半倫理的とか言うが、そんな曖昧なものが愛しあうカップルの結婚を妨げるとは許せないと思う。多様な生き方を許容できる社会、というのが素晴らしいと思う。
一時期ブームになった“冬ソナ”。あれは兄妹だの兄妹じゃないだのであーだこーだいってる場面がある。正直私は、「いやいや、別にいいじゃん。そんだけ愛しあってんだから」って思った。
社会的リスクがなかったとして、医学的なリスクの話が持ち上がることがある。
これは、いわゆる劣性遺伝に絡んだ問題だ。
遺伝子は通常同じ"属性"のものが二つセットになって存在している。
二つあるうちの片方が父親由来、片方が母親由来だ。
で、二つのうち片方が問題ないときは、全然オッケーだけど、二つともダメになっちゃうと、奇形とかになる、って場合がある。
要するに、
○○、○×、×○→普通に生まれてくる
××→遺伝疾患
ってこと。
で、こういう遺伝子は別に珍しいものじゃなくて、どんな人でも少なからず持ってるらしい。(どのくらいかは知らん)
兄妹だとお互いが○×状態の可能性が高いから、遺伝子問題でダメってことだ。
(メンデルって誰?みたいな人にはこれくらいの説明じゃ全然かも。すまん)
ただ、遺伝的問題が、身内間での結婚を禁ずるに足る理由になるのかというと甚だ疑問だ。
理由は二つある。
一つ目には、恐らくその遺伝問題は近年の技術の進歩で確実に解決できるだろうということ。
問題の遺伝子を、親のほうでそれをなんとかするとか、遺伝疾患を検査し中絶する(中絶の是非は別として)などだ。今は無理なのかもしれないが(専門外故わからない)、近い将来そういったことが可能になることは想像に難くない。(少なくともある程度の病気については、遺伝検査が可能らしい)
二つ目には、子どもに遺伝子異常が生まれ安いことを根拠に性行為や結婚を禁止することに反対ということだ。
この世には、遺伝子病というものは大量にある。そういった方々に対してあなたは子どもを作ると病気の子どもになるから、一生結婚しないで下さいとでも言えるのか? 私は絶対に言えない。
他人同士だが、夫が心臓に遺伝疾患で妻が肺に遺伝疾患で、セットで現れるとマズいという場合は?
他人同士だが、たまたま兄妹と同じ劣勢遺伝の問題が出てくるカップルは?
勿論、危険性の説明は必要かもしれない。しかし、愛しあって子どもを求めるのであれば祝福してしかるべきなのではないかと思う。
現状、近親相姦がダメだと考えていて、遺伝リスクを根拠にしている人は遺伝的リスクがクリアされたら全然OKと思えるのか、考えてみてほしい。
また、遺伝リスクで反対なら、普通は許されるカップルでも「たまたまお二人の場合は遺伝疾患の子どもが生まれる確率が高いですよ」という遺伝診断が可能になった場合に「だから、お二人は結婚できません」という立法が可能かどうか、考えてみて欲しい。
ま、これについては、自分もそれほど深い考えを持っているわけではない。恐らく私は近親婚とは無関係に今後生きていくだろうからだ。だが、隣に越してきた事実婚の夫婦が兄妹関係であったとしても、それが理由で二人を反社会的と感じることはないだろう。
現在の社会の平均的な考えがどうなのかはわからない。が、少なくとも愛し合っているのであれば、私の倫理観には反していないとだけ言って、今日はここで筆を置こうと思う。