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有害論を元とした行政の働きについての今の私の考え(2010/8/20)

2010.08.20.04:03

さて、前回の内容を前提として話しをしますので、前の読んでいない方は是非そちらを読んでからこちらを読んでいただきたい。
さて、前回は、ある漫画の読者に与える影響というのを考えたワケです。今回はそれがどの程度の量流通するとどのような影響があるのか、という考えをします。
では、図1を御覧ください。
2-1
これ、横軸はその表現の流通度。簡単には何冊売られたか、その冊数だと解釈していただければいいかと。
縦軸は社会に与える有害な影響。
このようにして直線を書くわけですが、考え方は二つありますが、それについては後述します(※)。
さて、前回のある本が読者に与える影響を考えたときの悪影響の平均を考えるとします。つまり一人が受ける悪影響の期待値ですね。
図2でいうなら、矢印部分。
2-2
図3でいうなら、2つの矢印を足して、人数で割った値ということですね。
2-3
この直線、横軸方向に一冊増える(つまり社会に一冊多く流通する)とき縦軸方向に増える量が、この一人が受ける悪影響の期待値です。別の言い方をすると一人当たりの有害影響が直線の傾きとなって現れてくる。
(ここでは、個人の考え方による図を考えるのではなく、仮想的に個人に与える影響を測定したと考えます。つまり、前回の考え方の議論に、”正解”があるとしている訳です。)
図4をみてください。
2-4
流通の状態次第で、現状の表現が社会に与えている影響は直線上の点で考えることができます。例えば、20冊流通してるなら、点A、100冊流通しているなら点Bといった具合です。(さらに正確には、同一の有害さ(傾き)をもつ表現物についてはひとまとめにしてひとつのグラフにすることを想定しています)
さあ、法規制で流通制限することはこの点を図5のように動かして、0に固定することですね。ですが、この方法は正しいですか?
2-5

社会に対する表現の悪影響を抑える方法は他にもっとよいものがあります。私が、社会への有害な影響を抑える方法としてふさわしいと考えるのは、図6にしめした方法。
2-6
つまり、人の需要による影響を考えようということ。具体的には需要環境の整備によって悪影響を受けなくするとかかな。
表現が個人に与える影響のグラフでいうなら、図7のような変化ですね。
2-7
つまり個人が悪影響に耐性をもつ状態。
なにが良くないって、図5のような方法って怖いですよ。ある表現が出回ったら、一気に有害な社会となるという状態ですから。しかも、ある表現についての直線が図5のように大きな傾きをもった(急に傾いた)直線であるならば、他の表現も大きな傾きになることでしょう。ある表現に対して特別耐性がないみたいな状態は想定しにくい。対して、図6の方法は本質的に、社会が有害にならない性質を備えるわけです。
また、読者を青少年に限定して同様の考え方をすれば図6が図5より優れていることは納得いただけると思います。要するに図5はクリーンルーム型の教育で図6が正しく思考力をつけさせることですね。
もう一度言いますが、この直線の傾きは、表現から受ける悪影響の期待値ですから、これが社会のもつ性質です。表現を規制して有害を抑えこむのではなく、傾きをさげることこそ大事なのではないでしょうか。

さて、私は”差し迫った具体的な危険がある場合”に限って一定の規制が置かれる場合もあると考えています。つまり、図5での右上の点のような状態にあるときに、もう社会の耐性などといってられないという状態なら規制も考えうるといものです。そのような状態がそもそも成立しないと私は考えますが、例えば「ある推理小説家が本を出すたびに模倣犯が必ず現れる。次の一冊を出すときに、それにストップをかける」みたいな状態ならまぁしかたないかなと。
図8の上部にある横線は、差し迫った具体的な危険があるほどの有害さを社会がそなえたといえるラインです。
2-8
つまり、直線上を移動する点がこのラインより上にきた場合には緊急の対応として、図8のようにすることもありだと。
ですが、この場合には行政のすべき対応は結局図9をへて規制解除する(図10)というものであると考えます。
2-9
2-10
図9のような状態は先にも述べたように、非常に危険な社会ですし、ある表現に対して行政が永続的に禁止するなど、あってはならぬことだと考えるからです。

また、法規制の問題はこの直線をやんわり左に動かすという作業が”できない”ことです。一方で、社会運動であればそれが可能(図11)
2-11
差し迫った具体的な危険ではないがちょっと有害なんじゃないか、と感じる人がいるのであれば、この直線上を左に動かすように動いてみたらいいじゃないかと思うわけです。

※有害さを考えるとき、むしろ良い影響をうけている人についてどう考えるかで2通りの考え方がありえます。つまり、良い影響を受けている人については除いて平均をとる場合と、全体で平均をとる場合。前者であれば、直線の傾きは必ず正の値をとりますが、後者では傾き0(水平)や傾き負(右下がり)も考えられます。私は前者の考え方によったとしても、非常に小さな傾きしかない。後者の考え方なら、傾きはほぼ0と考えます。

では、今回はここまでです。次回は「行政による表現規制が表現物に与える影響についての今の私の考え」と述べようと思います。
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